木野

22歳

はじまって、またはじまってではじまって

坂の多い街に住む。坂の上には綺麗な歯医者とケーキ屋がある。

公園も多い街。公園があればベンチも多い。いろんなとこに座れる。

今年に入って久しぶりに恋というものをする。好きな人は自分と全くタイプの違う人、趣味も、好きなものも、好きな食べ物も、嫌いな食べ物も、もしかしたら価値観も、全てなにもかも違う人である。なのにその人がとても好きになる。とても面倒くさい。ほんとに。その人からの連絡にしか意識が向かなくなり、まともに音楽も映画もドラマも楽しめなくなる。ラブソングをよく聞くようになる。好きな人を思って震えることが私にもできるでしょうか、というような台詞が問題のあるレストランにあったことを思い出す。震えはしないが確かに何かある。星野源の不思議は好きな人との会話続いている時しか聴けなくなる。好かれるために努力をしなければならなくなる。大豆田で描かれたのは好きな人のために自分を変えるのも、変えないのも、自分で選択したならばどちらの選択も素敵であるということ。しかしわたしはまだどちらも選べていない。二つの選択肢が白と黒ならグレーである。グレーでいいと思う。グレーがいい。恋はめんどくさい。溢れるものであると思う。溢れていつか懐かしいになって欲しい。

家族でクラフトビールを飲む。少しづつビールの味がわかるようになる。

何も成長せず何も変わらず。それでもでいく。